
高専は、普通高校とは異なり、専門的な知識と技術を学ぶことができるため、将来の職業に直結するスキルを身につけることができます。しかし、「高専は留年しやすい」という噂を耳にすることもあります。本記事では、その真相に迫り、高専の留年事情について詳しく探ってみたいと思います。
はじめに
別記事で高専について詳しく説明しています。
高専とは何か、いまいちピンと来ていない方はこちらの記事を先に読むことをおすすめします。
高専での留年の実態
高専生の留年率は文部科学省の調査によると、高専生の留年率は全体の3.7%だそうです。数値だけをみるとあまり多そうに見えませんが、普通高校の留年率はわずか0.4%です。なんと約10倍にもなります。
なぜこれほどまでに留年率が高いのか、その原因として以下の理由が考えられます。
赤点が60点
高専は普通高校と比べて、赤点は60点と高めに設定されています。
そのため、しっかり勉強しなければ60点を下回ってしまう可能性は大いにあります。
専門的な知識を短期間で習得するため、授業の進行も速く、内容も高度です。特に1年生から3年生にかけては基礎科目が集中しており、これらの科目で一定の成績を収めなければ進級が難しくなります。
特に数学で出題される問題は少し難しめでもあるので、数学が苦手な学生にとって、60点は少しハードルが高いように感じることもあります。
また、低学年の頃から授業と並行して実習、実験を毎週行い、その度に大量のレポート課題が課されるため、かなりの時間と労力がかかってしまい、他の科目の学習とのバランス調整が難しいです。
ちなみに落としても大丈夫な単位数は1~3年生は3教科まで、4~5年生は専門科目が増えることもあって5科目までセーフでした。
しかし、1科目でも30点を下回っていたら即留年です。ただ、30点下回るのはほとんどないです。よっぽど勉強していないか、学校に来ていない場合以外では聞いたことがありません。
レポートの提出が必須
前述の話にもつながってきますが、毎週課されるレポートは、一つでも提出できていなければ、その他の教科の単位が取れていたとしても一発で留年です。実際に学年末、私のクラスメイトが先生から「出してないレポート今日中に出さんかったら留年な」と脅されていたのを目撃したことがあります。

ひぇぇ、恐ろしい(||゚Д゚)
さらに、私の高専では、低学年のうちはワードの使用が禁止されており、全て手書きでレポート作成を行なっていました。レポート作成が苦手な学生にとっては地獄のような苦しみです。週末は必ずレポートに追われていました。
校則が自由であるがゆえ、自己管理ができない
高専はほとんど校則がないため、基本的に全ての行動が自己責任です。
大学と同じように、先生から何か言ってくれることは基本的にないため、自己管理ができなければ簡単に留年してしまいます。
特に高専生はゲームが好きな人が多いので、夜遅くまでゲームをしていて生活リズムが狂ってしまい、学校に行けなくなってしまう、なんていう事態は避けたいです。
留年を回避するための対策
ここまで、散々高専の恐ろしい面を書いてきましたが基本的に自己管理をしっかりしていればなんとかなります。
というのも、先生も留年させたいわけではないので、しっかりと頑張っていれば、学生に親身になってくれることがほとんどです。
以下にその対策をいくつか紹介します。
計画的に勉強する
これは当たり前っちゃ当たり前なのですが、中学と高専の自由度の違いが凄すぎて、ついついテスト期間位入ってもゲームをしてしまったり、遊びに行ったりしてしまいがちです。
その日授業で習ったことは当日少しでも復習、試験勉強は2週間前から勉強を始めることで成績上位は狙えます。
友人と協力する
高専では、優秀な人とできるだけ仲良くなっておきましょう。課題や試験勉強でわからないことは大抵教えてくれます。
ただ、一方的にお願いするだけでなく、何かしらのお礼は必ずしましょう。
試験が終わったらご飯を奢る、などちょっとしたことでいいのでお返しをしてあげると、次回もまた教えてくれるでしょう。
また、試験前は一緒に勉強する、過去問を友人間で共有するなど、試験はできるだけ友人と協力して乗り越えましょう!
再試は絶対に受ける
しっかり勉強しても、難易度が高かった、当日の調子が悪かったなどさまざまな要因で60点を下回ってしまうこともあります。そのような場合は、必ず再試を受けるようにしましょう。
ほとんどの先生は赤点だった学生を対象に再試を実施してくれるので、「次の試験で頑張るからいいや」と受けないのではなく、受けれる再試は必ず受けることをおすすめします。
先生に救済措置をお願いする
もしも、先生から再試のお知らせが無かった、点数がやばい、留年しそうで怖いと感じる場合は、担任や各教科担当に事情を説明して話を聞いてもらいましょう。
成績がやばい場合は、追加のレポート課題など何かしらの救済措置はしてくれると思うので、自分から行動を起こしていくことが重要です。
実際にある留年事情
私が在籍していた高専にもさまざまな留年事情がありました。そのうちのいくつかをご紹介したいと思います。
・毎年2~3人留年は当たり前(特に低学年)
・コロナ期間に十数人が一気に留年した学科も
・同じ学年で2回留年してしまい強制退学
低学年のうちは、2~3人留年してしまい、逆に上の学年から2~3人落ちてくるなんてことは普通でした。そのようなことを繰り返した結果、卒業時には入学当初の4分の1が他学年なんてこともあります。
また、コロナ期間には10人以上が一気に留年した、なんていう話も聞きました。
いきなり変更された授業形態について行けなくなる人や、ずっと家にいたことで生活リズムが狂ってしまったなどが原因として考えられます。
私の高専では、2年連続同じ学年で留年した場合、強制退学という決まりがあります。
実際に強制退学になる人もいました。ただ、よっぽど勉強していないか、学校に来ていないかが原因なので、みんなと同じように学校に来て勉強していればまず強制退学になることはないので安心してください。
最後に
私自身も入学当初は留年に超ビビっていましたが、しっかり出された課題はこなして勉強していればなんとかなります。
ただ、なんでも一人でやろうとするのはNGです。友人と必ず協力しなければいつかキャパオーバーになります。
その観点からも、入学後はできるだけ優秀な人を見つけて友達になっておきましょう!