
Startup Weekendでの怒涛の54時間を終え、無事に帰宅しました。帰りの特急電車で、眠い目をこすりながら3日間の大まかな流れをまとめましたが、忘れていることもあるかもしれませんので、その点はご容赦ください笑
この記事では、SW豊岡での3日間を振り返り、どのようなアクションを起こしたのか、そして個人的に学んだことを日記のようにまとめていきます。なぜ私がStartup Weekendに参加しようと思ったのか、またStartup Weekendとは何かについて気になる方は、ぜひ前回の記事をご覧ください。
前回の記事はこちら↓
開催日時・開催地
開催日時:2024/06/07〜2024/06/09
会場:とゞ兵

特急列車のダイヤの都合上、開場の1時間半前に豊岡駅に到着したので周辺をふらっと観光してみました。
ふれあい公設置広場やカバンストリートなどをぶらぶらと歩いていたのですが、自販機のとなりに「カバンの自販機」が設置されており、普段見ない光景が新鮮で面白かったです。



3日間のスケジュール
こちらが3日間のスケジュールです。

このように、おおまかな流れは決まっていますが、前回の記事でも書いたようにStartupWeekendのルールは「ルールがないことがルール」です。
必ずしもこの通りに動く必要はなく、各々が3日間好きなようにActionを起こしていきます。
1日目
会場入り後、まず自分の役割を決めました。
しかし正直、この時点での役割決めはあくまで自分の希望であり、チーム結成後この役割は変わる可能性もあるので、自分が挑戦してみたい役割を選ぶのが良いと思います。
3つの役割
Hacker:アイデアをもとにサービスを設計・制作する
Hustler:実際に街に出て、作ったサービスに需要はあるかなどのヒアリングを行う
Designer:街頭での調査をもとに、そのサービスをより良いものに変えていくアイデアや方向性を導き出す
参加者の皆さんと30分ほどご飯を食べながらお話をした後、いよいよSW豊岡がスタートしました。
まずは、アイスブレイクとして「ハーフベイクドワークショップ」を行いました。
ハーフベイクドワークショップとは…
参加者から出された適当なワード10個の中から2個キーワードを選んで、即席の4,5人グループで15分以内に1つのビジネスを作り、そのアイデアをピッチする。
一見掛け合わせることのないふたつのワードから新しい新規事業アイデアを考える斬新なワークショップ。
私のチームは、「電車」と「メガネ」のワードから15分間でアイデアをカタチにしていきました。
メガネをVRメガネに置き換え、電車内でバーチャルの世界を楽しめたり、パブリックビューイングができたりといった娯楽を増やすことを考えました。
それによって、スマホばかり触っている若者や普段はあまり電車を利用しない層の方々が、その娯楽を求めさらに電車を利用してくれるだろうという結論に至りました。
また、VRメガネをチケット代わりにして、各車両ごとに楽しめる娯楽が異なるなどの工夫点を加え、あっという間に15分間が終了しました。

続いて、1分ピッチ。
自分が解決したい課題をA4の白紙にでかでかと書き、皆さんの前で思いを熱弁します。
今回私は、近年増加しているデジタルノマド向けにコワーキングスペースを提供する「遊交-YUKO-」というサービスをピッチしました。
事前になんとなくアイデアを考えていたのですが、考え過ぎたが故に1分間で全部を伝えようとしてしまい、肝心な部分を伝えきれず1分が終了してしまいました。
1分で簡潔にわかやすく思いを伝えることの難しさを痛感すると同時に、参加者の皆さんのプレゼン力の高さに圧倒されました。
他の方のアイデアやピッチを見ていると、アイデアは案外抽象的でも良くて、ピッチで如何に「これ面白そうだな」と思わせるかが大事なんだという学びがありました。
結局私のアイデアは採用されず、「高齢者ホストクラブ」という面白そうなチームに参加することにしました。
最終的に6つのチームが完成し、少し明日からの動きを確認して解散するチームもあれば、初日から夜遅くまでディスカッションしているチームもありました。
私たちのチームは、22時ごろまでどのような予定で動いていくか、詳しい内容などをメンバーとすり合わせをしてその日は解散しました。
2日目
我々のチームは、朝9時から開始しました。
「高齢者ホストクラブ」の発案者が介護職の方で、実際にデイサービスを利用されている地元の方2名に直接会ってヒアリングを行いました。
・サービスに十分なニーズはあるのか?
・実際に利用してみたいか?
・どのような悩みを抱えていてどのようなサービスがあれば嬉しいか?
などの質問から生の声を聞き、サービスのニーズや改善点を洗い出しました。
私自身、これまで介護に関する経験や知識が全くなかったので、メンバーとの話し合いやヒアリングの中で知らなかった情報が多くあり、とても勉強になりました。

午後からは、起業家の方によるコーチングの時間でした。
自分たちの午前中の検証結果に対するアドバイスを多くいただき、改めて考え直さなければならない点がより明確になりました。


その結果、「現在も充実しているが、さらにプラスアルファで娯楽を求めている方」か「孤独を感じていて誰かと話したい方」をターゲットにするのかの2択になりました。
どのような状況で、どのような状態の、どのような人をターゲットにしたサービスなのか、ターゲットの明確化をすることで、自分たちの提供するサービスを決めていきました。
話し合いの末、後者をターゲットとすることにし、また、「本当にホストである必要はあるのか」という疑問点も浮上したため、ホストよりも訪問型サービスに転換した方が良いとの結論に至りました。
元のアイデアを白紙に戻し、アイデアを2転、3転させ考え直すことで、より良いカタチに近づけることができたと思います。
少しでもアイデアに行き詰まったら何度でもピボットして方向転換していくことの大切さを身にしみて感じました。(ファシリテーターの方も、「現在、名の知れている企業もピボットして成功した事例がいくつもある」ということをおっしゃていました。)
この時点でメンバー全員かなり頭を使って疲れてしまったので、気分転換も兼ねてサービス名の候補を好きなように列挙していきました。
できるだけご高齢の方に覚えてもらいやすいキャッチーなサービス名になるように意識し、最終的に「ハッピーコンシェルジュ(ハピコン)」に決定しました。
次に、具体的なサービス内容案を決めていきました。ホストではなく、訪問型の何でも屋さんのような立ち位置としてサービスを提供するので、
お話し相手、買い物、ドライブ、スマホ指導、畑仕事 etc…
といった、幅広いサービスを考案しました。
さらに、介護のプロのみを雇うのではなく、「若者と話すことで元気が得られる」という意見がヒアリングで多かったので、学生など幅広い世代の人を社員として雇う方向で決定しました。
しかし、このような幅広いサービスは、競合他社でも行われていたので、どこかで差別化を図らなければなりませんでした。調査を進めていくと、指名できるヘルパーのようなサービスは無かったため、「指名制」を競合他社との差別化ポイントとする方向で決定しました。(意図はしていませんでしたが、この「指名制」が元の案であるホストにも少しつながっています笑)
競合他社がないor極端に少ない場合…
大抵はそのサービスに需要がなく儲からないか、解決不可能な課題を抱えているかのどちらか。
世の中にニーズのあるものは必ず誰かがもうすでに作っている!
競合他社がない、もしくは1~2社しかない場合は、もう一度そのアイデアを考え直す必要があるかもしれない。
「起業」は0→1をイメージしがちだが、そんなことはなくて、既存のサービスにどのような差別化ポイントを加えてサービスを展開していくかも十分立派な「起業」である、ということを学べました。
マネタイズ手法は、サービスモデルやサービス利用者のペルソナにあわせて選択します。
私たちのサービスは、利用者の要望と弊社所属のコンシェルジュ(社員)を仲介するので、仲介モデルをベースに考えていきました。
そしてあっという間に23時前になり、プレゼン資料の作成に差し掛かった段階で2日目は解散しました。
3日目
最終日は、タイムリミットが迫っているため、2日目で変更したビジネスプランでの再検証と15時からの最終ピッチに向けてプレゼン資料を完成させるため、二手に分かれて行動しました。
まず、街頭での質問内容をメンバーで再確認してから、それぞれの役割分担を行いました。
私はプレゼン資料の作成やデザインが好きだったので、そちらに注力して作業を進めていきました。
最後に、市場規模の算出やサービスの利用料などの具体的な数字やユーザーの獲得戦略を明確にして、カタチに仕上げていきました。
ラスト1時間は、プレゼン資料の最終修正とピッチ練習に時間を費やしました。
そして迎えたタイムリミット。
我々のチームのピッチは3番目でした。前の2チームのプレゼンのレベルが高くて圧倒されましたが、私たちのチームも負けじと3日間の成果を無事皆さんの前で発表することができました。

残念ながら3位以内に入ることはできませんでしたが、それ以上に多くの学びがあった濃い3日間でした。
54時間を走り切った後には、懇親会でたくさんのご飯と美味しいお酒と共に、参加者の皆さんとお話ししたり、3日間の思い出に浸ったりなど、それぞれ思い思いの時間を過ごしました。
また、参加者の方々だけでなく、オーガナイザーの方々ともお話しすることができて、最後の最後まで非常に有意義な時間を過ごすことができました。
まとめ
初めて参加したStartupWeekend。
右も左も分からないまま、とりあえずActionするしかないと参加を決意しました。
初めましての方々ばかりで不安もありましたが、3日間過ごしていく中で、普段の生活では絶対に交わることがないであろう職種の方や、様々な考えを持った方と出会うことができ、自分自身が成長をすごく実感できたイベントでした。
今月末には、島根県の石見で開催されるStartupWeekendにも参加する予定なので、そちらの方もまた記事にまとめていきたいと思います!